上部消化管チーム

上部消化管グループでは、スタッフ全員が外科専門医と消化器外科専門医を取得しており、消化器外科領域の幅広い知識と優れた技能を有する専門医集団としてチームで治療に取り組んでいます。さらに日本内視鏡外科学会技術認定取得者2名を中心として胸・腹腔鏡手術を積極的に導入しております。全ての疾患に対し、根治性、低侵襲性、機能温存を考慮した治療を心がけています。

食道癌では、術前化学療法を積極的に行い、集学的に治療を行っております。手術は基本的には胸腔鏡下で施行し、胃管作成も腹腔鏡で行っており、良好な成績を収めています。今後は、ロボット支援手術も開始する予定であり、更なる高度医療を進めて行きます。

胃癌では、進行胃癌でも腹腔鏡下胃切除術を積極的に行っています。粘膜下腫瘍を中心とした病変に対しLECSを導入しています。LECSとは腹腔鏡・内視鏡合同手術(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)の略称です。内視鏡治療と腹腔鏡手術を併用することで、必要最小限の侵襲で腫瘍切除を可能とする新しい手術方法です。また、十二指腸の病変に対し、D-LECSも行っていく予定です。また、再発の可能性の高い高度進行胃癌に対しては術前化学療法を導入し、癌を縮小してから手術を行っています。また、積極的に腫瘍内科と連携し、conversion surgeryの症例も増えてきております。近年増加している食道胃接合部癌や噴門部癌に対しては、腹腔鏡下噴門側胃切除も積極的に行っております。ロボット支援手術も昨年より導入し、良好な成績を収めています。腹腔鏡では難しい部分でも、多関節機能のメリットを活かした手術が可能です。

その他、鼠経ヘルニアに対してもTAPP（腹腔鏡ヘルニア修復術）を行っております。

胃癌・食道癌に対しては、術後の補助化学療法や再発症例に対しても化学療法を積極的に行い、長期生存が得られている症例もあります。

以上、患者さん一人ひとりに真摯に向き合い、最善の治療を心がけております。

上部消化管チーム写真