山形大学大学院医学系研究科医学専攻 外科学第一講座

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下部消化管チーム

大腸がんの手術

大腸がんの治療は、がんの部位や進行度により内視鏡治療・手術治療・全身化学療法・放射線療法・対症療法、もしくはそれらの組み合わせで行われます。当科では、第二内科(消化器内科)、腫瘍内科と協力して、病状を総合的に判断し、その患者さんに最も適した治療を提供しています。進行癌に対する術前化学放射線療法や、遠隔転移例、局所再発例に対する集学的治療などを行い、治療成績の向上に努めています。

創が小さく痛みも少ない腹腔鏡手術やロボット手術の経験も豊富で、積極的に大腸がんにおいて腹腔鏡手術もしくはロボット手術を施行しています。ロボット支援手術は、腹腔鏡下手術をロボット支援下に行うもので、今までの腹腔鏡下手術の利点に加えて、がんの根治性や肛門・排尿・性機能などの機能温存の向上が期待されています。当科では2020年8月よりロボット支援手術を導入しており、多くの直腸癌手術をロボット支援下に行っています。さらに肛門付近の早期癌に対して、永久的な人工肛門(ストーマ)を回避して肛門機能を温存する括約筋間直腸切除術(Intersphincteric resection: ISR)を導入し可能な限り永久人工肛門を回避する工夫を行っています。

その他の大腸疾患の手術

炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)の手術や、家族性大腸腺腫症(大腸ポリポーシス)などの手術も行っています。潰瘍性大腸炎では大腸を全摘して、自然排便が可能な回腸・肛門吻合術を標準としています。クローン病では病変部の狭窄が高度な場合は病変部の切除を行いますが、比較的軽度の場合は狭窄を解除する術式を組み合わせ、可能な限り腸管を温存する方針としています。その他、虫垂炎、腹膜炎など、急性腹症に対する外科的治療においても科内で中心的な役割を果たしています。

診療体制

当チームでは、スタッフ全員が外科専門医と消化器外科専門医を取得しており、消化器外科領域の幅広い知識と優れた技能を有する専門医集団としてチームで治療に取り組んでいます。さらに日本内視鏡外科学会技術認定取得者を中心として腹腔鏡手術・ロボット手術を積極的に導入しております。

下部消化管チーム写真